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スケール機 Flitzer Z-1 の製作

ピーナッツスケールの図面と
ネットからコピーした実機写真。
 Flitzer Z-1は第一次世界大戦当時の戦闘機をイメージしたホームビルト機です。木製キットが販売されており、一人で作っても三年ぐらいで完成させられるそうです。エンジンはフォルクスワーゲン1800ccを使っているため機首部両側にシリンダーヘッドが露出していて、フェアリングがもっこりしているのが特徴です。

 実機を作るようなつもりでRCスケールモデル化しようと思います。基準になる寸法は市販のスポークタイヤで、このサイズから全機縮尺が1/4.49となりました。これでスパン1260mm重量2Kg程度ですからENYA41-4Cディーゼルエンジンに適します。翼型はUSA35BかNSCA4412だそうですから、使ったことのない前者にしました。良好な失速特性が期待されます。実機の図面も買えますが、高いのでピーナッツスケール(ゴム動力)機のものを入手してそれを拡大しました。この図面は実機製作者の監修を受けているそうですから信頼できます。尾翼と胴体のおよそができました。縦通材は6.4mm角の桐材を使ったのでかなり丈夫です。実機と同様に張線で荷重をもたせる構造です。
ラジコン図面と各部品 プロペラは
14-9でほぼ実機の縮尺サイズ。
一見、難しそうですが、各部材を正確に作れば手間無しで強度が得られます。同じ縮尺ではENYAのシリンダーの方がワーゲンより小さくなるのでダミーエンジンを作らなければなりません。

 実機ではワーゲンエンジンがいかにも不粋とみえて、例のロテック110馬力ラジアルエンジンを使ったタイプも製作中です。資料リンクにありますから、実機についてはそちらを御覧ください。

どうにも大きな胴体ですが、実機では人と
エンジンをのせられる最小の大きさです。
 機体の製作はなかなかはかどらないものですが、じっくり製作する時間を設ければ精神衛生上好ましいことになります。特にスクラッチビルトのスケール機の場合は図面でおおよその見当を付けておいて現物合わせでパーツを切り出す場合が多いので考える時間がかかってしまいがちです。

 私の手順は胴体など基準になる部分を先に作って、そこに翼などの取り付け工作するようにしています。複葉機は翼の製作がめんどうで敬遠されがちですが、パーツの切り出しはともかく、組み立て作業は楽しいものです。

 脚の部分は本機の特徴ですので実機と同様な構造にしました。競技グレードのプレシジョン(精密)スケール機でないので厳密には異なっています。
機首部とコックピット位置。
私の考え方として、細部を精密に作って、良く飛ぶように翼型や取り付け角を変えるやり方よりも実機設計者の精神を活かして翼型や構造面などは実機と同様にして、細かい考証が必要な細部は雰囲気的に工作するようにしています。この考え方で行くと世界一周した「ボイジャー」ならFRPで、第二時大戦機なら半応力外被構造(金属あり)で、軽飛行機なら鋼管溶接羽布張り構造で作るということになるので、製作しないか、もしくは近いところでの妥協を選択することになります。
 Flitzerはホームビルト機なので構造面もほぼ実機なみにできるのです。
実機と同じ構造の尾そり。 主翼パネルの上下。エルロンは下翼のみ。

スケール機 Flitzer Z-1 の製作 2

斜材入りの中央支柱。実機縮尺寸法よりすこし太い。

カウリングの構成。
 少し暇になったので製作を再開しました。主翼はほぼ完成し、胴体の仕上げにかかっています。一般的に複葉機の工作では支柱の取り付けがめんどうで、これを考えて製作を断念する場合もあります。本機では支柱部分を先に組み立てておいてから胴体に取り付けるようにしました。支柱は5ミりのラミン丸棒を瞬間接着剤で組みましたが、やはり引っ張り強度不足のため針金で縛り付けました。 カウリングはエンジンに比べて大きいので、ベニヤフレームとバルサブロック張り合わせでアルミ板の曲面を表現します。また、エンジンルームが大きくなるのでしきりを入れました。

 胴体のプランクも終えました。その行程の前に計器板を作る必要がありました。この辺もめんどうなのでつい省略したくなるもので、事実そうした機体もたくさんあります。しかし、このように大きな解放座席の機体では丸見えになるのでそうもいきません。そこで最低限の表現をしました。

機首部分。 主翼取り付けとプランク部が完成した胴体

スケール機 Flitzer Z-1 の製作 3
やっと完成しました。これから調整飛行します。全備重量2500gになりましたが、翼面荷重60g/ds2程度なので楽に浮くでしょう。しかし、胴体側面積がおおきいので横風に弱くなります。今回は正確に工作したので張線をうまく張れましたが、ターンバックルを2mmのビスで作ったので実機の感じより太くなってしまいました。スケール機にとって、各部品の縮尺比率を実感あるように設定するのはかなり困難です。

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