4、ピストン頂部の加工。 |
5、ピストンを再度ラップして寸法を合わせる。 |
6、ピストンやとい、ラップツール、板レンチを作った。 |
7、115mmしかないプロペラが大きく見える。 |
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市販モデルエンジン中最小(0.009立方インチ)と言われているこの「オールボン、バンビ」は1955頃イギリスで作られたもので、お客さんの依頼で修理しました。
現物はピストンとカウンターピストンがすり減っていて圧縮が抜けているものの、シャフトの部分のメタルはガタがなくそのまま使えました。
良く見るとシリンダーとピストンの両側に焼きが入っていて、そのためシリンダー側も減っています。シリンダーをホーニングして円筒度を修正し、それに合わせてピストンとカウンターピストンを製作します。
オリジナルのピストンは焼き入れされたSK材のようですが、同じ材質どうしだと磨耗し易いので、ピストンとカウンターピストンはSCM415材で作りました。
試運転してみるとニードルのセットが合わず連続回転しません。良く調べると前のオーナーがニードルの出し入れを動かしていて、燃料供給を絞りきれない状態でした。そこで、針のハンダ付けを手直しして閉め切れるようにしました。このくらい小さいと燃料消費は極端に少なく、始動時にはよほど気を付けないと飲み過ぎになります。プロペラは旧Gマーク03用のD115mm-P50mmを9,300rpmほど回します。また、ピストンが5,6mmと極端に小さいのでオイル分を多くしたナイトレイト3%入りの燃料を使いますが、シリンダーのポート形状の関係で始動性は良くありません。
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8、試運転。 |
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