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1 運転中のDooling29新古品。 |
かつて一時代を築いたDoolingスピードエンジンの新古品29を東京の内田さんが入手してくれました。そこで、手持ちの中古品と比べながら回してみました。
このエンジンは戦後第一世代の「クラシック」タイプのレーシングエンジンです。その特徴はダブルボールベアリングと二本ピストンリングのアルミピストンとディスクロータリーヴァルヴにあります。
分解整備後の現品の状態は、ディーゼルエンジンより渋いピストンと押さえのコイルスプリングのために凄い抵抗感があるディスクローターのために、クランクしても1回転しないありさまです。そこで、せめてディスクローターだけはスプリング無しの物に交換して回しました。図3の上にあるのがストックの状態のコイルスプリング付きローターシャフトです。
最初はスターターでないと掛けられませんが、しばらく回すと手でも始動できるようになりました。15%二トロ燃料で7ー11スピードペラを12500rpm回しましたが、すごい振動とキンキンした騒音が耳障りな、野獣のような回り方です。このまま手を加えないで慣らし込みだけで使うとすると180km/hがせいぜいかと思われます。R.G.モルトン氏はその著書で200キロ出ると述べていますが、それは経験豊富なスピードモデラーがチューンナップしながら十分練習した場合であって、現にモデラーのレベルが低かった日本では、当時、このエンジンを使ったまともな記録はありません。(記録を御存じの方があればお知らせください。)
テストしたモデルでは驚異的な燃料消費量で、とてもティームレーサーには使えないと感じましたが、これをベースにした英国製カータースペシャルはB級ティームレースでも圧勝したそうですから、パワーアップすると燃費も改善されると言うことになりましょうか。 |