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ED RacerTV型 | 2005年 9月 |
このエンジンのクランクシャフトは非常識なぐらいに細く、(6.3mm)大きなベアリングに締まりバメされています。前後のベアリングが同じサイズなのはワンチャックで同時加工するための設計で、こうするとベアリングハウジング前後の心がずれません。 オーナーの意向で排気スタックを削り取ると、軽々とした感じになりました。 この時代の英国製ディーゼルには、ツボを射た設計と勘所を押さえた製造法で感心させられます。 |
2 樹脂製の裏蓋とローター。 ローターピンはディスク側に固定されている。 |
3 排気スタックを削り取った。ニードルヴァルヴは縦形。 |
ED Racerの修理 | 2005年 7月 |
桑原さんは高校時代にこのエンジンをUコン機に使っていたそうで、思い出ある品です。アルミダイカスト製のディスクローターが裏蓋を削ってしまい、圧力シールができなくなりました。すり減った裏蓋のシール面を削り直し、その寸法に合わせた厚いローターを布入りベーク材から削り出しました。 製作手順はまず裏蓋を旋盤に保持するジグを作って裏蓋の平面を加工します。次にローターを新たに作ります。本来は正確な図面を作成して機械の目盛りで寸法を追うべきですが、単品製作ですので現物合わせでのケガキ線をたよりに目視でおおまかに削り、手仕上げしました。平面精度と軸受け精度が出ていれば、ローターの窓寸法に依存する吸入タイミングはおおまかでも平気です。開口部にはブリッジを設けました。こうするとバランスが良くなり。全体の剛性も向上します。 試運転してみると始動性がとても良く、ローターの製作は合格です。パワー的にはそこそこでした。同時代に国産のENYA15Dがヨーロッパにも輸出されましたから、これらのエンジンと比べても評価が高かったわけですね。 |
保持器の内面を部品寸法に合わせるためホーニングした。 | 保持器にはめ込まれた裏蓋。 |
ローター接触面の加工。 | ディスクローターのミリング。 |
組み立てられた裏蓋。ローターとの隙間は0.08mm. | 試運転中のED Racer。 |
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