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サンダータイガーGP18ディーゼル 2008年 4月

1 GP18ディーゼル。キャブ内径を小さくしてある。
 ちょっと半端な大きさの新型ラジコンエンジンですが、見えない所に技術革新があります。

 エンジンのピストンとシリンダーとの接触面には気密性と耐摩耗性が求められます。ところが気密性を求めてピストンをきつく合わせると摩擦抵抗が大きくなって回転が低下しますし、緩く合わせれば爆発圧力が漏れて今度はトルクが低下します。そこで材質の組み合わせを変えて対応するのですが、コスト面からきびしい制約があります。

 OSエンジンでおなじみの、シリンダー側に無電解ニッケルコンポジットメッキする方法はニッケルの摩擦抵抗が大きくて、クロームメッキより具合悪いことがあります。同様なメッキシリンダーを採用しているサンダータイガーエンジンもこれまで、そのような問題がありました。

 それが、ここ1、2年の製品ではかなり改善されて金属面のなじみが良くなっています。それでどうなるかというと、ピストンをシリンダーにきつく合わせた状態でもするする動くということですから、高圧縮が必要なディーゼル運転にとって、まことに都合良いことになります。

 その理由はピストンの材質および熱処理の変更、無電解メッキの品質改善など考えられますが詳細はわかりません。結果、始動性が向上してよく回るようようになり、スローも安定するのでディーゼルに不慣れなユーザーにとっても大変使い易くなりました。

 実際に運転してみると、始動後すぐにニードルをしぼっても回転不安がなく、圧縮をいきなり上げてもエンストせず、5分ぐらいの連続運転でピーク回転数が1000rpmぐらい向上します。
また、燃料の性質を良く反映して、良い配合の燃料では確実に上がります。

 回転数はマフラー付きで10−6を8200rpm、11−4を8250rpmでした。

 また、このエンジンは無臭燃料が使えます。においの少ない物質でディーゼル燃料を作るとどうしても性能が低下します。その主な理由はエーテルの分量とオイルの選定にあるのですが、このエンジンはその点に優れているので他のエンジンほど性能低下がありません。

 無臭燃料での回転は10−6をマフラー付きで7500rpm回しますし、アイドリングも2400rpmで安定します。その成分は、エーテルを7%にして刺激臭を最小限にしており、臭い灯油のかわりにほぼ無臭のケロシンを用いています。オイル臭さは、食用「ひまわりの種油」とあまり臭くない鉱物油の混合で抑制しています。価格は1リットル¥2500ですが、他のエンジンでは性能を保証できないので、このエンジンとのセット販売にさせていただきます。
2 ディーゼルヘッドはグローヘッドにも交換できる。 3 試運転

無臭燃料でのテストラン

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模航研  長野県小諸市大字諸308-1