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Gマーク12  2006年12月

1 ディーゼルヘッドを付けたGマーク12
 内田さんの依頼でGマーク12二気筒にディーゼルヘッドを付けました。
 別の同型モデルで、以前グローのまま試運転したことがあります。その時は非力でスローが不安定ですぐエンストし、常に片側の気筒が失火しやすく、しかも運転中に通電しても回復できないありさまでした。
 一般にこのようなリード弁形式のエンジンは各気筒への混合気分配不良を起こし易く、運転が不正になりがちです。そのためグローエンジンでは常に通電したり、4ストの場合は、キャブを各気筒ごとに設けたりしますがいずれにしろ煩雑で整備不良、調整不良を誘います。
 このエンジンは小型に安く作るためクランクシャフトが片持ちになっていて撓み易く、そのためピストンピンをボールジョイントにして逃げています。また、クランクケース内部が広くなってしまい一次圧縮が小さくなる欠点も持ち合わせています。これらを承知の上でディーゼル運転してみました。
 さて、物が新品であったためかどうか、思いのほか好調でMK8-4を9000rpm以上回します。当然、混合気分配不良を起こしているはずですが、可変圧縮によって失火することなく二気筒特有の共鳴排気音を楽しめますし、振動もたいしてありません。スローは3800rpmぐらいです。これはキャブを手直しすることでもっと下げられます。鉄シリンダーなのでやや焼け気味です。飛行ではフィン付きアルミカウンターヘッドが有効になるでしょう。
 多気筒グローエンジンはプラグヒートが煩わしく、このようにディーゼル化すると実用性が高まります。耐久性は分かりませんがこの段階ではグローより数段優れていると思います。
2 別エンジンの分解写真。クランクピンは容易に外せる。 3 試運転

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