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KO099ディーゼル 2006年 3月

写真1
写真2
 この国産ディーゼルも他社と同じく1950年代に製造されたものです。筆者が中1でUコンを始めた頃、模型店のショーウィンドウに飾られていました。赤いヘッドが印象的でしたが、模型クラブの指導教員からは勧められませんでした。

 整備依頼されたものの一方はオイルが固着していたので清掃に手間取りました。固着したねじ込み式のヘッドクランプをはずすにはコツが要ります。まず旋盤のチャックに厚紙をくわえておいて、そこにヘッドだけを素早くバーナー加熱したエンジンを取り付けて、締め過ぎないように注意しながらチャックに固定してネジを緩めます。(写真1)

 このエンジンはボールベアリング内輪にシャフトがきつく入っているため、加熱して、マシンヴァイスにくわえて正確に押し出さないとシャフトやドライヴプレートを痛めます。(写真2)
 固着しているのは運転後に残ったひまし油が長い年月で腐敗酸化したものです。(写真3)

 しかし、かならずしも鉄錆びに結びつくことはなく、この場合も深刻な錆には発展していませんでした。また、吸気管が長いタイプは比較的丈夫ですから、シリンダーブロックひび割れの危険は少ないです。

 他方を試運転してみると始動性が良くパワーもありますが、同じクラスのグロー改造ディーゼルエンジンより振動は大きく感じられました。取り扱い説明書にはナイトレイト添加の指定はありませんが、鉱物油系の燃料ではノッキング気味に回り、合成油系燃料ではピストンがギラギラ光るのでひまし油系燃料が無難なようです。
 さらに、過濃混合気を燃焼させることになるので、チョーク弁を取り付けてスロー運転させる場合はナイトレイト添加が有効です。

 回転数は8-6を8200rpm、9-4を7700rpmでしたから、当時のグローエンジンの19ぐらいに相当したのではないでしょうか。
写真3 写真3、試運転中

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