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1 レストア前の状態 |
KOディーゼルエンジンでは最大の5ccクラスです。生産量はごく少なかったと推定されます。整備するために分解すると、ENYA15Dと同様なクロームメッキがシリンダー内面に施されていました。
この物は製作者の近藤金次郎氏からユーザーの佐藤義朗氏に直接供給されたものですから、他の全製品がクロームメッキされていたかどうか定かではありません。当時はスロットルコントロールがなく、高速と低速の2スピードでエンジンを回す二本のニードルバルブが付いています。(写真1参照)トミーバーは失われていて、再製作しなければならないところでしたがPAWエンジンのものが合うので、そのスペアーパーツを流用しました。古いエンジンはネジの規格が異なるのでいつも悩まされます。この場合は3/16インチの32山ですからタップもダイスも手持ちがありません。
ピストンの頂面にはカーボンが厚く堆積しており、ボールベアリングの外周がスリップしていましたから、かなり回し込んだと思われます。ピストンはきれいにして、ベアリングはロックタイトを塗布して組み立てます。他の部品は問題ないのでレストアの主眼はスロットルの取り付けと燃料に合わせたスロー調整となりました。性能的には11ー8サイズのプロペラを7200rpmほど回せます。予想通り強烈な振動ですが回転を上げ過ぎたタップリン二気筒ほどではありません。アルミのラジアルマウントを用いれば持ちます。大型ディーゼルですから始動し易く、キャブ-スロットルを直した結果スローは2800rpm以下、吹き上がりもまずまずとなりました。また、KOディーゼルをスロットル付きで使う場合は鉱物油系の燃料のほうが調子良く回せます。 |