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お客さんの要望でツインキャブ仕様にされたMICRON10cc |
1970年代に製造されたフランス製のこのモデルは日本にも輸入されていましたが、筆者は実際に回っているのを見たことがありません。
お客さんの依頼でコンロッドを製作しました。大きさは15クラスですが大端部が分割構造なので少しめんどうです。元のコンロッドはアルミ鍛造品で材質的には悪くないと思いますが軸受けメタルに相当する上の面にオイル穴が明けられていて、そこが大きく磨耗していました。このエンジンはコンパクトにまとめるためにショートストロークを採用していて、そのせいでクランクピンにかかる面圧が大きくなって油膜切れを起こしたと推測できます。また、クランクピンはシャフトと一体構造のため焼きが甘く磨耗し易いと思われます。普通の硬質アルミ材コンロッドではピン側がすり減る恐れがあるため、コンロッド全体を砲金で作りました。少し重くなりますがエンジンの性格から言って、問題ありません。
コンロッドはいろいろな作り方があります。材料の形が丸棒ですから今回は旋盤で外形を整えるやり方をしました。これは小ロット製作には都合良い方法ですが、端部を球形に仕上げる特種な刃物台が必要です。前々から作るつもりではいたのですがなかなか手がつかず、この機会にやっと製作しました。(写真2)
製作手順は写真で示します。お客さんとの相談で、今回は試運転調整をやりません。御自分でされるそうです。シャフトを手で回すとリード弁がビュービュー言います。きっと面白い音で回ることでしょう。
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