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1 分解状態。シリンダーはきれいに研摩仕上げされている。
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2 裏蓋をはずすツールを作った。
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手元の資料で調べてみるとこのエンジンは1948年デトロイト製とありますが、詳しくは分かりません。桑原氏が入手しましたが、ピストンが外れているため修理しました。
このエンジンはボア12mm、ストローク18mmのロングストロークで、コンロッド小端部はボール状になっており、ピストンは本体、球面軸受け板、止め環、の3ピース構造です。(写真3)
この、アルミ製の止め環が破損していたのでリン青銅で作り直しました。コンロッドのボールジョイントはCoxエンジンでお馴染みですが、実機船舶用ディーゼル機関でも採用例があります。この場合は受面圧をかせぐためとピストンを回転させて潤滑を良くする目的があります。模型では、Coxの場合運転中に回転することはありません。このエンジンがどう言う目的で球面軸受けを採用したのか分かりませんが、ことによるとゆるいピストンでも圧縮漏れが少なくなるのかも知れません。
試運転してみると始動性は極端に良好でした。パワー的には10-5を5000rpm、11-8を3800rpm と素朴なものです。 旧型とはいえ個性的な構造を持つエンジンは、技術的な資料という点で、とにもかくにも貴重なものです。 |