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1スピンナーナットと ENYAss25のキャブを付けた。 |
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2 チューンドパイプを付けての試運転。排気タイミングが低いので同調しない。 |
1980年代にパイロンレースに使われた名品X40の流れを汲むモデルで、その後に発売されたR/C仕様品です。ABCピストン、シリンダーなのにピストンリングが入っている珍しい設計なのでディーゼルで試してみました。
この仕様の目的は低速安定とスロットルレスポンスを良くすることにあります。
ピストンリングのないABCエンジンは運転温度によってピストンとシリンダーの隙間が変化し易く、圧縮が合わなくなることがあります。それをピストン材の選択やシリンダーの設計などで防ごうとするのが最新の技術ですが、安価な量産エンジンでは実現が難しく、一部ではいまだにピストンリングが重用されています。
このモデルでは高速時に温度が上がるときにピストンが膨張して隙間が小さくなるのを見越して始動時にはわざとゆるくしておき、そのときの圧縮をリングに持たせている設計ですから、始動させるには多めのプライミングが必要になります。
ディーゼルではグローほど温度が上がらないのでどうかと思い試しました。回してみると最初は手掛けでは始動できずスターターを使いました。ニードルを合わせながら暖機すると圧縮を下げながら回転を上げて行くようになります。暖まって圧縮が決まるとスローが2500rpmぐらいまで落とせます。リング入りのせいで、スターター始動の場合はかえってやり易くなります。
トミーバーの閉め加減が運転温度しだいということで、ディーゼルマニアにとっては面白いモデルですし、基本的に良い始動性がある大型ディーゼルでは、このピストンは、取り扱いし易くすると思われます。 |