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 子ども模型教室の御案内
 2002年3月に古崎は岩手県花巻市の花巻工業クラブが主催する子ども模型教室に招かれました。主催者の話では、日本の経済を支えて来たもの作りの技術が次の日本を担う子ども達に受け継がれないことを案じているとのことでした。
 それで、模型飛行機を通じてものを生み出していく技術の心を子ども達に感じてもらおうとこの試みをつづけているのだそうです。
 集まった子どもはほとんどが小学生でしたが、二度三度と参加している子もありました。そのように熱心な子は模型の形態ではなく、うまく飛ばす秘けつといった、いわば飛行の精神にせまる関心をあらわにしてくるので、却ってこちらの方が感銘を受けてしまいました。
 しかし、空飛ぶ玩具に無心な関心を寄せる好奇心は、やはり、ちいさな子どもにはかなわないということで、特に年少の子どもに喜ばれるよう設計したモデルを紹介します。
 

 1、ゴム動力スピード機「プチダッシュ」

 この機体は特に狭い空間で飛行が楽しめることが特徴です。ゴム動力スピード機というのは今日ではすっかり見捨てられたカテゴリーで、市場や模型ジャーナリズムなどで見かける事はありません。
 遊び方は、ゴムを巻いて地面からスタートさせ、10mぐらい先のゴールに入るまでのタイムを競います。ゴールポストは幅5m高さ2mぐらいに作っておいてその中に入れば公式計時とします。ですから建物の中庭のような場所でも十分楽しめます。
 ゴム動力機を飛ばす場合、われわれモデラーは30秒以上飛ばないと良く飛ぶとは思えないのですが、このような小さな子どもの感じかたでは、模型が高く遠くに行ってしまうとかえって不安感や喪失感を覚えるようで、楽しくないようです。
 この機を飛ばした4才の綾奈ちゃんという女の子は特に強い関心を示し、あたかも、虫めずる姫君がバッタやコウロギをいとうしむようにこれを扱っていたのが印象に残っています。


 2、「スク−ルボ−イ」HLG (Hand Launch Glider)

 これはいわゆる手投げのグライダーで、紙ヒコーキとは違って腕の力を直接模型に伝えられるスポーティーな性格があります。作り易く、「返り」易い設計になっていますから、身体を動かすのが楽しくてたまらない野外派少年に適しています。
 まず投げ方を覚えなければなりません。野球のボール投げとは違った、肩の力を抜いて手首をコントロールする独特の投げ方ですから慣れるには少し時間がかかります。
 うまく投げると軽い右ロール上昇し、背面になる寸前に起き上がって滑空姿勢に入ります。楽しいのはこれからで、サ−マルに乗るとどんどん上がって行くため初めて体験する子どもはとても不思議に思います。
 静止気流中の性能は17秒程度ですが、日中校庭で行った模型教室では校舎の屋根に乗ってしまう盛況振りでした。



プチダッシュを使った飛行会。このぐらいの広さで十分。

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 2003年6月15日
坂の上小学校で行われた「地球人まつり」に
模型製作ブースで参加しました


 子供達に作らせた模型はスチレントレイを切り抜いて作る「ZAG」グライダーです。製作希望の子どもは引きもきらず、4時間の間にこれを作った子どもの数は30人以上になりました。
 毎度のことながら、模型飛行機を作る女の子にはジェンダーフリーを感じさせられます。


模型ブース1

模型ブース2

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 子供模型教室主催者のために    古崎仁一
A-教材機の選定を主催者が行う場合。
 必要な道具や製作法のアドヴァイスができます。それに飛行調整の指導もできますが、市販品の模型キットを用いる場合は2時間程度では完成に至らない場合があります。

B-教材機の選定を古崎が行う場合。
 製作時間に合わせた自主模型が用意できます。この場合飛行させる場所によっていくつかの模型が選べます。
大きく分けて、滞空型、速度型、室内機となります。また、グライダーとゴム動力飛行機があります。一般的に言ってグライダーは、いわゆる体育系。プロペラ機はどちらかと言うと科学教材系となります。

 工作難度は、グライダー、速度型プロペラ機、滞空型プロペラ機、室内型プロペラ機の順にめんどうになります。飛行場所は、グライダーと滞空機が屋外(校庭)、室内機が体育館、速度機はどちらでも可、となりますが、グライダーと滞空機を体育館で飛ばす事もできます。ただしこの場合は面白さが半減します。
 実際の工作について、飛行性能を保証しようとするなら子供の手だけにはまかされません。必ず大人の手助けが必要です。短時間でこの点をクリアーしようとするなら模型工作の心得がある大人のボランティアが子供7,8人にひとりの割合で必要になります。この点が普通の工作教室と異なります。

 飛行会のありかた
大人の競技会ではないのですから水準以上によく飛ぶ必要はないのですが、子供達にはある程度の達成感を感じてもらいたいと思うのです。いままでは初めて模型飛行機を作る子供について述べましたが、なかには何度か模型に親しんでより良く飛ばしたいと思っている子がいるかも知れません。
 実際の現場の様子しだいでは競技会をやった方が楽しいことがあります。つまり、熱心な生徒が多い場合はその意気込みを汲み取ってあげたいのです。
 やりかたは各々の飛行時間を何回かに分けて計測し、良いタイム順に勝ち負けが決まります。このときに面倒がらずにひとりひとりのタイムを計測する事が肝要です。こうすれば、例え優勝できなくても子供達は満足できるものです。

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模航研  長野県小諸市大字諸308-1