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4ストロークディーゼル、プログレスレポート OS FS26へ |
4ストディーゼル、プログレスレポート 2003年8月現在 | |||||||||||||||||||
経緯 世界的にも例がない4ストロークモデルディーゼルエンジンの開発を始めて2年、やっと発表できる段階になりました。原理的に可能なことは分かっていましたが、基本的に必要な作動状態がなかなか実現できなくて開発が遅れました。今般この作動状態が実現されたことによって、模型エンジンの新たな展望が開けたと確信いたします。 |
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利点 4ストロークエンジンは元来作動が確実なため負荷の変動による回転変化が少なく、始動させ易く低騒音と言う長所があります。その反面、同一行程容積の2ストロークよりトルクが小さく、回転も上げられない欠点を有しています。 模型飛行機用エンジンではより大きな出力/重量比が求められます。実機では1ps/1kgで飛びますが、模型では1ps/0.5kg以上の性能が必要です。ディーゼル化することによって5000rpm程度の比較的低回転でこの数値が実現できるのです。また、始動時にプラグヒートする必要がないため実用的な多気筒エンジンも作れます。例えば5気筒エンジンで必要な電力は最低20Wで、これが不要になるのですからこの差は大きいと言えます。 ENYA35-4C 改造ディーゼル 4ストディーゼルのプロトタイプとしてENYA35-4Cを選びました。これはAACのラップピストンなのでシリンダーからの圧縮漏れが少なく好都合なのです。ストックのヘッドを削り込み、新たな天板をはめ込んで圧縮を上げました。写真の右側が排気弁です。圧縮比は13程度、グロープラグの穴に専用の栓を取り付けました。このリーチを変えることにより圧縮の微調整ができます。 ストックのアルミ製シリンダースリーヴには、熱膨張を規制するためのバックアップスリーヴを鉄で作って被せました。(写真参照) ストックのピストンピンはディーゼルの強い爆発力に耐えきれず折損したので、中実のニードルローラーに交換しました。(写真参照) 性能評価 プロトタイプのものは、ボア21mm、ストローク17mm、行程容積5,89cc。 ベンチでの回転数はMK11-7を8000rpm、APC12-8を6900rpm 、マスターエアスクリュー14-8を5000rpm、回し、スローは1500rpmで安定して回ります。ストックのグローエンジンが10-6を約8000rpmですからかなりのパワーアップです。しかし、燃焼が少し荒い感じがします。また、ディーゼル燃料の粘性に合わせて、キャブは吸入径を5,5mmに縮めてあります。 試験飛行 試しに飛ばしてみました。写真の機体は大きく重いため、あまり飛ばしませんでしたがエンジンの実用性は確認できました。 今、なぜディーゼルなのか! 日本では、環境問題上悪者視される実機ディーゼルエンジンですが、ヨーロッパでは排出されるCO2の少なさからディーゼルの乗用車が人気あると聞いています。 模型エンジンが出す排ガスは実機に比べて微々たるものですから敢えて環境問題視することはありません。ただ、現状のグローエンジンに用いられているニトロメタンが気になります。顕著な毒性はないのですが、発ガン性物質としての疑いが捨てきれません。アースコンシャスというのは多分に自己満足的なところがありますから、ニトロメタンを使わないディーゼルエンジンを愛用していればそれなりの満足感が得られます。 実機ディーゼル機関で進められているのと同様、モデルディーゼルでも灯油に代わる代替燃料の使用が可能です。GTL軽油、ジメチルエーテル、はグローエンジン並みの高速運転を可能にするでしょうし、バイオマス代替燃料は省エネ運転に適します。 実機機関が脱ガソリン化(メタノール、MTBE、LPG、LNG、水素、など)を目指す中、模型エンジンも脱ニトロメタン化を目指すのは自然の成りゆきと考えられます。
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写真説明 写真2〜5 運転中のENYA35-4C模航研ディーゼルプロトタイプ。 写真1、エンジン外観。 排気弁が下がっているのは、50プロダクト製の短いタイプの合金工具鋼ヴァルヴを使ったため。 排気温度が低いのでその必要はなかった。 写真8、折れたピストンピン。写真6、テストしたプロペラ、上から順に MK11-7、APC12-8、マスターエアスクリュー14-8。 |
4ストロークディーゼルの販売計画 2003年8月現在 世界初のモデルディーゼル4ストロークエンジン市販モデルは、ENYA41-4cをベースにプロデュ−スされます。量産されれば価格は安く出来ますが、いきなりの大量生産は無理なため、まず、限定5台での受注製作となります。
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写真11 カブの機首部 |
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写真9 テスト機のクリップドウイングカブ | |
写真10 飛行中のカブ |
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